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集団的自衛権行使を容認する閣議決定に強く抗議し,その撤回を求める会長声明
2014.07.09
集団的自衛権行使を容認する閣議決定に強く抗議し,
その撤回を求める会長声明
 
 当会は,本年5月14日及び6月11日の二度にわたり,政府に対し,憲法改正手続をとることなく憲法解釈の変更によって集団的自衛権行使を容認することに強い反対の意見を表明してきた。
 しかしながら,政府は,7月1日,「国の存立を全うし,国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」と題する閣議決定を行った。
 閣議決定は,集団的自衛権行使に関して,「我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず,我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し,これにより我が国の存立が脅かされ,国民の生命,自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において,これを排除し,我が国の存立を全うし,国民を守るために他に適当な手段がないときに,必要最小限度の実力を行使することは,従来の政府見解の基本的な論理に基づく自衛のための措置として,憲法上許容されるべきである」としている。
 しかし,この閣議決定は,自衛のための必要最小限度の防衛力を持ち,専守防衛に徹するとしてきた従来の日本の防衛政策を根幹から変えるものであって,従来の政府見解の基本的な論理を大きく逸脱している。自衛のための措置との名目で,時の政府の判断によって,際限のない「武力の行使」に途を開くものである。
 集団的自衛権を行使することは,我が国をいまだ攻撃していない相手方を攻撃することであるから,当然に我が国は戦争の当事国となり,反撃を受ける可能性が生じることを意味する。集団的自衛権の行使により,逆に,国民の生命,自由及び幸福追求の権利は根底から覆されることになりかねない。
 我が国は,多くの尊い命を犠牲にしたアジア・太平洋戦争の惨禍に対する真摯な反省の上にたち,武力によらない平和の達成を目指して恒久平和主義を憲法の基本理念とした。その我が国が,憲法の基本理念に反して,一内閣の閣議決定によって実質的な改憲をし,この閣議決定に基づいて関連法を整備し,または新たな法案を提出することによって,再び戦争をする国となる危険な方向に向かうことは何としても避けなければならない。
  閣議決定は,「我が国を取り巻く安全保障環境が変化した」ことを強調するが,仮にそうであったとしても,集団的自衛権行使という重大な方向転換を,憲法の定める国会による発議と国民投票という厳重な憲法改正手続によらず,一内閣の閣議決定による解釈変更で容認しようとすることは憲法破壊そのものである。政府や立法府による権力の行使を憲法の制限下に置き,権力の濫用を阻止しようとした立憲主義に著しく反するものであって断じて許されない。
 よって,当会は,基本的人権の擁護を使命とする弁護士の団体として,立憲主義堅持の立場から,憲法改正手続をとることなく集団的自衛権行使を容認する閣議決定に強く抗議するとともに,その撤回を求める。
  
2014(平成26)年7月9日
岡山弁護士会      
 会長 佐々木 浩 史
 
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