福川問題検証委員会からの報告書提出を受けての会長談話

1 本日,当会に対し,福川問題検証委員会(以下「検証委員会」といいます。)から,報告書が提出されました。
2 検証委員会は,平成24年12月,当会において,福川律美当会元会員の逮捕につき,このような事態がなぜ発生したのか,このような事態を防ぐ方策等につき,具体的提言を行うことを目的として設置され,当会会員5名に外部の有識者3名によって構成された委員会です。当会は,検証委員会において,事柄の重大性ゆえに,わずか4か月という短期間で精力的な検証を行っていただきました。
3 検証委員会の報告書では,非行の再発防止に向けて多角的な提言がなされております。そこで,当会は,本日,報告の精査及び再発防止策の早急な具体化のため,不祥事対策検討委員会を設置しました。
日本弁護士連合会にあっても,5月31日に開催される定期総会で「預り金等の取扱いに関する規程」の制定が議題とされています。当会としては,これに加えて,市民窓口の体制強化・非行情報の一元化等の多角的な再発防止策について,速やかに具体化する意向です。
4 福川元会員のなした行為は,予期しがたい衝撃的な不祥事です。刑事事件の第一回公判期日に現れた事実によれば,預り金の杜撰な取扱い,一部の依頼者,相手方及び関係者等に対する「立替金」と称する金銭の支払,並びに,その「立替金」の増加による預り金の不正流用等があったとのことであり,通常の弁護士業務からは到底考えられないことであります。しかし,福川元会員の不祥事による弁護士及び弁護士会の社会的信頼に対する影響は測り知れません。本件の事実関係の解明は,まだ緒に就いたばかりですが,当会としても,今後の公判及び破産手続において,事件全容の解明がなされることを強く期待しております。
5 当会は,解明される事件全容,周辺諸事情,損害実態等の諸事実を注視し,関係諸方面からのご意見を傾聴し,社会的責務を負った弁護士会として,対処に誤りなきを期したいと考えております。

平成25年4月30日
岡山弁護士会
会長 近 藤 幸 夫

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