(2020.03.03)新型コロナウイルスの影響を受ける事業者及び労働者の支援に関する会長談話
1 厚生労働省の発表によれば、2020年(令和2年)3月2日午後0時現在、新型コロナウイルス感染症の患者は232例(国内事例221例、チャーター便帰国者事例11例)、無症状病原体保有者は22例(国内事例18例、チャーター便帰国者事例4例)が確認されており、日本国内での感染が拡大しています。
政府(新型コロナウイルス感染症対策本部)は、2020年(令和2年)2月25日、「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を発表し、経済産業省は、新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者に対する資金繰り支援、設備投資・販路開拓支援、経営環境の整備を、厚生労働省は、雇用調整助成金の特例措置、小学校などの休校に伴う賃金補償(助成金支給)を実施しているものの、新型コロナウイルスの事業者及び労働者への影響の拡大は今や避けられない事態となっています。
2 岡山県でも既に事業者への影響が生じており、製造業や卸売業を中心に原材料や製品の調達が困難になった、宿泊業や観光業、飲食業で予約のキャンセルが多数発生したなど、大規模な売上減少及びこれに伴う資金繰りの悪化が生じています。
今後は、納期遅れ等に伴う取引先との契約問題、従業員に対する休業指示、在宅勤務の実施、事業自粛に伴う賃金支払等の労働問題の発生も想定され、さらに新型コロナウイルスの終息が長引けば、一時的な資金不足に止まらない経営の破綻まで引き起こす可能性があります(既に愛知県や北海道で新型コロナウイルスの影響による破産申立て事案が発生しています。)。
3 岡山弁護士会では、これまでも中小企業法律支援センターを設置し、事業者の皆様の経営課題の解決をサポートしてきましたが、新型コロナウイルス感染拡大による甚大かつ緊急の相談に対応するため、2020年(令和2年)3月2日、「新型コロナウイルスに関する事業者の相談窓口」を同センター内に設置し、事業者向け相談受付専用電話「ひまわりほっとダイヤル」を通じた相談受付を開始することにいたしました。「ひまわりほっとダイヤル」(0570-001-240)にお電話いただいた場合、原則24時間以内(土日祝は除きます。)に担当弁護士から折り返しのご連絡を行って面談相談日を決めることにしており、影響を受ける事業者の皆様が抱える問題に迅速に対応してまいります。
4 また、企業での労働問題の発生は、その企業に勤務する労働者の問題でもあります。岡山弁護士会では、労働者からの労働問題に関するご相談について、これまでも「労働と生活に関する無料相談」を実施し、多数のご相談をお受けしてきたところでありますが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う労働者のご相談もこちらで受け付けます。こちらの相談は,岡山弁護士会の代表電話番号(086-223-4401)に「労働と生活に関する無料相談の件」としてお電話いただいた後,担当弁護士から折り返しのご連絡を行って面談相談日を決めることにしており、影響を受ける労働者の皆様が抱える問題に迅速に対応してまいります。
5 岡山弁護士会は、今後も、中小企業支援機関等の関係団体と連携しつつ新型コロナウイルスの影響を受ける事業者及び労働者の支援に全力で取り組んでまいります。
2020年(令和2年)3月3日
岡山弁護士会
会長 小 林 裕 彦