特定秘密保護法案の参議院採決強行に抗議し,改めて同法の廃止を含む見直しを求める会長声明
当会は,臨時国会において審理されていた特定秘密保護法案について,国民の知る権利やプライバシーの権利,報道の自由を侵害し,国民主権原理に反するものであるから成立に強く反対する立場から,本年10月19日に同法案に反対する会長声明を発し,11月9日には市民集会を実施し,11月20日及び12月4日に街頭宣伝活動を行い,同法案の危険性について訴えてきた。
そして,11月26日の衆議院の採決強行に際しては,衆議院の審議において多くの問題点が明らかとなり,福島市で行われた地方公聴会においては8名全ての公述人が同法案に反対であったにも関わらず,十分な修正審議がなされず,同法案に対する懸念がぬぐい去られることのないまま採決が強行されたことに抗議し,参議院において徹底した審理を求める会長談話を発したところである。
この間,法学者,外国人記者を含む報道関係者,映画監督等表現の自由の担い手とされる方々や国連人権高等弁務官からも続々と反対,懸念の表明がなされ,12月3日に行われた参議院国家安全保障特別委員会の参考人質疑において与党側の参考人も慎重な審理を求める発言があるなど,国の内外から同法案に対する懸念,不安が高まっている。にも関わらず,良識の府であるはずの参議院においても,2週間にも満たない短い審理期間しかなく,何らの修正もなされないまま,衆議院に続いて採決が強行され,同法案が可決,成立したことは極めて遺憾であり,強く抗議する。
同法案は成立したものの,国民の同法に対する懸念や問題点は消滅するわけではない。
当会は,政府及び国会に対し,改めて,同法が国民の重要な権利を侵害し,国民主権原理に反するものであることから,今後,廃止を含めた抜本的見直しを行うよう強く求めるものである。
平成25(2013)年12月7日