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本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律に対する会長声明
2016.08.09
 本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律に対する会長声明
 
1 2016(平成28)年5月24日,「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(以下「本法律」という。)が成立し,同年6月3日,施行された。
2 近年,特定の国籍や民族の人々の排斥を主張する,いわゆるヘイトスピーチが全国各地で繰り返し行われている。
  ヘイトスピーチは,憲法で保障された個人の尊厳を著しく傷つけ差別意識を生じさせるものであり,その根絶が強く求められる。そのため,本法律が成立したことは,ヘイトスピーチ解消に向けた取組を前進させるものとして評価できる。
3 しかし,本法律は,「不当な差別的言動」の対象となる被害者を,「本邦外出身者」であって「適法に居住するもの」に限定しており,「本邦外出身者」以外の者や在留資格を有しない者に対するヘイトスピーチは許されるとの誤解を生じさせるおそれがある。そもそも在留資格いかんに関わらず,ヘイトスピーチは憲法14条が定める法の下の平等の精神に反し,国際人権規約(自由権規約)及び人種差別撤廃条約等国際条約が禁止する差別にあたるものであり許されない。本法律は速やかに改正すべきである。
4 また,本法律第4条は,地方公共団体に対しては努力義務を定めるにとどまっているところ,より実効的にヘイトスピーチを根絶するためには,地域に根差した地方公共団体による差別解消に向けた取組が欠かせない。
5 この点,衆議院法務委員会及び参議院法務委員会において,「『本邦外出身者に対する不当な差別的言動』以外のものであれば,いかなる差別的言動であっても許されるとの理解は誤り」であること,「地域社会に深刻な亀裂を生じさせている地方公共団体においては」不当な差別的言動の「解消に向けた取組に関する施策を着実に実施すること」等の附帯決議がなされており,この附帯決議に沿って本法律を解釈運用することが求められる。
6 当会は,国や地方公共団体に対し,本法律に基づいてヘイトスピーチの根絶に向けた具体的な施策を講じることを求めるとともに,国会に対しては,必要な改正及びヘイトスピーチ解消に向けた更なる法整備を速やかに行うよう求めるものである。
 
2016(平成28)年8月9日
岡山弁護士会    
会長 水田 美由紀
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