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国立大学の国旗・国歌の扱いに対する不当な介入に反対する会長声明
2015.04.22
国立大学の国旗・国歌の扱いに対する不当な介入に反対する会長声明
 
 安倍首相は、本年4月9日、参議院予算委員会で、次世代の党の松沢成文氏の、国立大学の入学式や卒業式での国旗掲揚、国歌斉唱に関する質問に対して、国立大学が「税金によって賄われていることに鑑みれば、教育基本法にのっとって正しく実施されるべき」と答弁し、これを受けて、下村博文文部科学相が「広く国民に定着し、国旗国歌法が施行されたことを踏まえて、各大学で適切な対応が取られるよう要請したい」と述べた。
 しかし、安倍首相の答弁、下村文科相の発言は、それ自体が、政府(国家権力)による大学への不当な介入行為であり、憲法23条及び教育基本法7条2項に反し許されない。
 そもそも憲法23条は、憲法19条(思想良心の自由)、憲法21条(表現の自由)とは別個に「学問の自由」を保障している。これは、明治憲法下において、滝川事件や天皇機関説事件などで、「学問の自由」が国家権力によって不当に侵害された苦い経験の反省から、特に規定されたものである。そして、「学問の自由」は、沿革的には大学の学問の自由がその中心にあり、大学の人事、学問研究、教育、運営などにつき、国家権力などの外部勢力が不当に干渉するときは、学問の自由に対する侵害の危険が生ずることから、特に大学に限って学問の自由を実質的に担保するために「大学の自治」が認められているのである。また、この憲法23条の趣旨を受けて、教育基本法7条2項でも、「自主性、自立性その他大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならない」と規定されている。
 加えて、安倍首相の答弁及び下村文科相の発言は、政府の要請に従わなければ予算配分に影響を与えるという意味が含まれているとしか受け取ることができず、国立大学に対して、国旗掲揚、国歌斉唱を事実上強制することとなり、国立大学の自主性を著しく侵害する。また、国家予算が投入されているのは国立大学だけでなく、私立大学も同じであるので、安倍首相の答弁は、国立大学のみならず、私立大学を含めた全ての大学の自治を侵害する行為と言わざるを得ない。
 よって、当会は、政府が国立大学に対して国旗掲揚、国歌斉唱を要請すること自体に強く反対し、安倍首相に対しては、参議院予算委員会での、国立大学に対する国旗掲揚、国歌斉唱が正しく実施されるべきとする答弁は、憲法23条、教育基本法7条2項で保障された大学の自治を侵害するので撤回するよう求めるとともに、文科省に対しても、国旗掲揚、国歌斉唱を国立大学に要請するとの方針を撤回するよう求める。
 
2015年(平成27年)4月22日
 
岡山弁護士会     
会長  吉 岡 康 祐
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