新着情報

ホーム新着情報 > 商品先物取引法における不招請勧誘禁止を緩和する省令に抗議する会長声明
全体イベント・相談会意見表明
商品先物取引法における不招請勧誘禁止を緩和する省令に抗議する会長声明
2015.03.11
商品先物取引法における不招請勧誘禁止を緩和する省令に抗議する会長声明
 
 経済産業省及び農林水産省は、2015年(平成27年)1月23日、商品先物取引法施行規則の一部を改正する省令(以下「本省令」という。)を公表した。
 当会は、2014年(平成26年)4月5日付けで公表及び意見募集がなされた商品先物取引法施行規則の改正案に対し、同月22日付け意見書において、これに反対する意見を既に表明しているところ、本省令はその公表案を若干修正し、同規則第102条の2を改正して、ハイリスク取引の経験者に対する勧誘以外に、顧客が65歳未満で一定の年収若しくは資産を有する者である場合に当該顧客の理解度を確認するなどの要件を満たした場合を不招請勧誘の禁止の例外として盛り込んだものである。
 上記の要件を満たす顧客であるか否かの適合性の確認は、勧誘行為の一環においてなされるものであるから、確認のための連絡を許容する本省令は、商品先物取引契約の締結を目的とする勧誘を不招請で行うことを許容するものであり、不招請勧誘を実質的に解禁するものである。即ち、本省令は法律の委任の範囲を超える違法なものであり、省令によって法律の規定を骨抜きにするものである。
 さらに、委託者に年収や資産を確認するための方法として申告書面を差し入れさせたり、いくつかの問題に書面で解答させて先物取引の理解度確認を行うなどの手法は、いずれも、現在多くの商品先物取引業者が事実上採用しているのと同様の手法である。そして、そのような手続を採用している業者において、委託者を誘導して事実と異なる申告をさせたり、問題の正解を教授して解答させるなどの不正行為が既に蔓延しており、被害が発生している。このような実態からすると、これらの手法が委託者保護のために機能するものとは評価できない。本省令は、透明かつ公正な市場を育成し委託者保護を図るべき監督官庁の立場と相容れないものである。
 そもそも、商品先物取引法における不招請勧誘を禁止する規定は、長年、同取引による深刻な被害が発生し、度重なる行為規制強化の下でもなおトラブルが解消しなかったため、与野党一致の下、2009年(平成21年)7月に法改正の上で導入された経緯がある(2011年(平成23年)1月施行)。しかし、その後も個人顧客に対して金の現物取引やスマートCX取引(損失限定取引)を勧誘して接点を持つや、すぐさま通常の先物取引を勧誘して多額の損失を与える被害が少なからず発生している実情があり、不招請勧誘が深刻な被害をもたらす実態に変化はない。
 本省令はかかる立法経緯及び被害実態を軽視し、商品先物取引の不招請勧誘を解禁するものであり、消費者保護の観点から許容できず、当会はこれに強く抗議し、廃止することを求める。
 
2015(平成27)年3月11日
岡山弁護士会      
会長 佐々木 浩 史
 
PAGETOPへ
-