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 「金融商品取引法施行令の一部を改正する政令(案)」等(商品関連市場デリバティブ取引に係る行為規制関係)に関する会長声明
2014.08.06
 「金融商品取引法施行令の一部を改正する政令(案)」等(商品関連市場デリバティブ取引に係る行為規制関係)に関する会長声明
  
  金融庁は,2014年5月30日付けで「金融商品取引法施行令の一部を改正する政令(案)」等(商品関連市場デリバティブ取引に係る行為規制関係)を公表した。
  金融庁の改正案は,商品関連市場デリバティブ取引に係る金融商品取引契約の締結の勧誘を,勧誘受託意思の確認義務及び再勧誘禁止の対象とし(金融商品取引法施行令の一部改正(案)第16条の4第2項第1号ニ),商品関連市場デリバティブ取引に関し,勧誘受託意思の確認方法として,一定の取引関係にない個人顧客に対しては,訪問・電話によることを禁止する(金融商品取引業等に関する内閣府令の一部改正(案)第117条第8号の2)。
  商品関連市場デリバティブ取引である商品先物取引については,商品先物業者が不招請勧誘を端緒として顧客を取引に引き込むトラブルが絶えず,深刻な被害を生じさせていた。そのため,2009年の商品先物取引法改正(2011年施行)により,不招請勧誘を禁止する規制が設けられた(同法第214条第9号)。これにより商品先物取引に関する苦情相談は大幅に減少した。
  不招請勧誘禁止規制について,経済産業省産業構造審議会商品先物取引分科会は,2012年(平成24年)8月21日付け報告書にて「商品先物取引に係る苦情等の件数は着実に減少しており,不招請勧誘の禁止を含めた勧誘規制に関する累次の法律改正や,関係者の法令遵守の取り組みが一定の効果をあげていると考えられる。不招請勧誘の禁止の規定は施行後1年半しか経っておらず,これまでの相談・被害件数の減少と不招請勧誘の禁止措置との関係を十分に見極めることは難しいため,引き続き相談・被害の実態を見守りつつできる限りの効果分析を試みていくべきである。」とし,当面不招請勧誘禁止を維持すべきと報告している。
  ところが,2013年より,政府において,不招請勧誘禁止規制の撤廃を図る動きがあり,また,2014年4月,農林水産省及び経済産業省は,先物取引業界の意向を汲み,事実上,70歳未満の個人顧客に対して不招請勧誘を大幅解禁する内容の商品先物取引法施行規則の改正案を発表した。
  しかしながら,無差別の訪問・電話勧誘という旧態依然としたビジネスモデルにより,市場を活性化させようとすることは,投資家保護と公正な商品市場の発展を阻害するものであり,本末転倒というほかない。そのため,当会においては,これらの動きに対し,2013年11月13日付けにて,商品先物取引についての不招請勧誘禁止撤廃に反対する会長声明を発表し,2014年4月22日付けで,不招請勧誘の禁止規制を大幅に緩和する商品先物取引法施行規則改正案に反対する意見書を提出したところである。
  今回の金融庁の改正案は,実質的に不招請勧誘禁止と同一の効果を期待できるものである。
  ただし,禁止行為の対象から除外される個人顧客の要件(当該金融商品取引業者等に有価証券取引等の口座を有することなど)に不十分な点があり,禁止行為の対象から除外される個人顧客の範囲が広範となれば,結局のところ,適正な消費者の保護が図れないこととなるのであって,その点については,より限定を加えるべき(投資リスクの高いデリバティブ取引経験を有することを要件とするなど)である。
  よって,当会は金融庁の「金融商品取引法施行令の一部を改正する(案)」等(商品関連市場デリバティブ取引に係る行為規制関係)に関して,商品関連市場デリバティブ取引に係る金融商品取引契約の締結の勧誘を,勧誘受託意思の確認義務及び再勧誘禁止の対象とし,その勧誘受託意思の確認方法として,一定の個人顧客に対しては,訪問・電話によることを禁止する点において賛成する。他方,当該禁止規定の実効性確保の点からも,禁止行為の対象から除外される個人顧客については,投資リスクの高いデリバティブ取引経験を有する顧客に限定するよう求める。
  
                                                    2014年(平成26年)8月6日
                                                     岡山弁護士会          
                                                        会長 佐 々 木  浩 史 
 
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