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司法修習生に対する給費制の復活を求める会長声明
2013.01.23
司法修習生に対する給費制の復活を求める会長声明
 
1 昨年12月19日に第65期司法修習生が司法修習を終え、裁判官・検察官・弁護士と、法曹への第一歩を踏み出した。また、昨年11月27日に第66期司法修習生が最高裁判所に採用され、岡山地方裁判所配属の42名の司法修習生を、当会でも司法修習指導のために迎え入れた。
しかし、第64期司法修習生及び旧司法試験合格者である現行第65期司法修習生までに対し実施されていた、司法修習期間中の生活費等の必要な資金が国費から支給される給費制が廃止され、新第65期司法修習生から、修習資金を貸与する制度すなわち貸与制に移行している。
2 さて、戦後一貫してわが国の司法は、日本国憲法の下で三権の一翼として国民の人権・権利擁護のため重要な役割を求められ、司法修習は、この司法を担い司法をつかさどる法曹である裁判官・検察官・弁護士の養成のための統一修習制度として制度化された。
そして、これら法曹の資格要件としての司法修習生の地位の重要性に鑑み、司法修習に人材を吸収し、また司法修習生に修習に専念させる等の見地から、特に一定額の給与が支給されることとされていたものである。
かかる日本国憲法の要請や社会的背景に何ら変わりはなく、また司法修習生は、司法の担い手たる法曹の予定者として、国の厳格な規律の下、国の権力行使に関与し、国民の権利義務に関わる法曹の職務そのものに密接に関連する準備過程に従事していることにも何ら変わりはない。
それにもかかわらず裁判所法上の制度変更により、司法修習生が司法修習に専念できる制度的担保としての給費制が廃止されたことは、誠に遺憾という外ない。
3 この制度変更により司法修習生は経済的に困窮し、日本弁護士連合会が昨年6月から7月にかけて新第65期司法修習生に対して実施した「生活実態アンケート」の結果によると多数の司法修習生が、司法修習配属地で住宅を借りるにあたり契約を断られたり、貸与金返済の経済的不安感から、書籍購入や医者にかかることを自粛した等の声が寄せられ、司法修習に専念するに当たり貸与制が大きな妨げとなっていることが判明した。
さらに、司法修習生の多くは大学及び法科大学院の奨学金等の返還義務を負担しており、貸与制はその返還義務を加算することになるが、貸与制が今後とも継続されるのであれば、有為な人材が経済的事情によって法曹への道を断念する事態が既に現実化しているところ、更なる進行を招く。
この現状を放置すれば、国民の人権・権利を擁護する担い手としての司法そのものの弱体化は必至である。
4 現在、司法修習生の給費制復活に関する問題は、内閣に法曹養成制度関係閣僚会議が設置され、さらに有識者を含めた法曹養成制度検討会議が設置され、政府の検討課題となっている。
そこで当会としては、上記の会議体を含め、国に対し、給費制廃止の裁判所法改正の際の「経済的な事情によって法曹への道を断念する事態を招くことがないようにすること」という附帯決議を踏まえ、早急に給費制復活による司法修習生に対する適切な経済的支援を求めると共に、新第65期及び第66期司法修習生に対しても遡及的に適切な経済的措置が採られることを強く求める。
                                                              2013年(平成25年)1月23日
                                                                                 岡山弁護士会             
                                                                                   会長  火 矢 悦 治
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